CXOレターは文章作りが重要!文章の書き方で意識したいポイント・文章例をご紹介!

ターゲット企業の責任者(Chief x Officer)に手紙を送付する「CXOレター」飛び込みやテレアポと異なり企業の責任者に直接アプローチできるため、非常に有望な営業戦略です。

企業責任者の心を動かして商談を実現するためには、手紙の中身が成功の鍵を握ります。今回は、CXOレターの「文章作り」について、意識したいポイントを詳しく解説します。さらに文章例や読んだ人の心を動かすコツもご紹介します。メールやSNSでやり取りするのが当たり前になってきている現代だからこそ、手紙作成における重要なポイントを押さえておきましょう。

目次

CXOレターで「文章作り」が重要な理由

企業の上位役職者にアプローチするCXOレターでは、文章作りが最も重要な項目です。まずはその理由からみていきましょう。

決裁者の印象に残るためには文章の中身が重要

CXOレターでアプローチする企業の上位役職者とは、商品やサービスを購入するかどうかを決定する決裁者でもあります。そのため決裁者の印象に残るようなCXOレターを送付すると、自社の会社名、商品名、サービス名を覚えてもらいやすくなるため、商談の実現が近づくのです。

しかし、手紙の中身がテンプレート的な内容に終始してしまっては、決裁者の心を動かすことが難しいため、望んだ成果を得られないかもしれません。ここで、テレアポや飛び込み営業といった従来の手法にはないCXOレターのメリットも確認しておきましょう。

  • 決裁者の手元に手紙として残る
  • DMやメルマガとの差別化が容易
  • 送り主の気持ちや真剣さが伝わりやすい
  • 新規開拓と既存顧客の両方の営業活動に使用できる

商品やサービスの特徴を正確に伝える必要がある

CXOレターで「文章作り」にこだわる理由として、自社の商品・サービスの特徴について正確に伝えられる点が挙げられます。

決裁者が商品・サービスを検討する際は、自社に対するメリット・デメリットの両方を検討してから購入するかどうかを決定することがほとんどです。検討材料が読み取れないCXOレターでは、商談につながる可能性は低いといえるでしょう。

反対に、自社の特徴や魅力が伝わる文章であれば、決裁者は実際に商品・サービスを購入したときの具体的なイメージを持てるようになるため、商談化も近づくわけです。

CXOレターの文章で意識したいポイント

それでは、読み手の心を動かせる文章にするためには、どのようなポイントを意識すればよいのでしょうか。効果的な手紙を作成するために、手紙の基本的な構成要素である「前文」「主文」「末文」「後付」について、それぞれの意味や役割を身につけましょう。

構成要素意味・役割
前文手紙の冒頭部分時候の挨拶や相手または自分の安否について記載する。頭語や日頃の感謝も記載する
主文前文に続けて記載する手紙の目的や用件を記載する
末文主文に続けて記載する先方の今後の繁栄を祈る、結びの挨拶を記載する
後付手紙の末尾部分日付や署名、宛名を記載する

それぞれの意味や役割について、より詳しい内容を紹介します。

頭語

前文では、手紙の冒頭に「頭語」を記載して、相手に対して敬意を示します。「拝啓」「啓上」「謹啓」などがよく使われる頭語です。頭語は、末文に記載する「結語」とセットに使用するものですので、頭後を記載した場合は必ず結語も記載しましょう。

頭語と結語の組み合わせの例がこちらです。

日常的な手紙に用いる頭語と結語
頭語結語
拝啓、啓上、拝呈敬具、拝具、敬白
より改まった手紙に用いる頭語と結語
頭語結語
謹啓、謹呈、恭啓謹言、謹白、敬白

「拝啓」「啓上」といった日常的な手紙に使用されている頭語も、相手に対して敬意を示すものですのでCXOレターに使用して問題ありません。ただし「前略」「略啓」といった前文を省略する頭語は、新規開拓のCXOレターに使用しないようにしましょう。

時候の挨拶

時候の挨拶は、一般的に頭語の後ろに記載します。季節の挨拶や相手の健康を気遣う内容が適切です。時候の挨拶を記載すると、手紙を読んだ人が「手紙のマナーを身につけている企業だ」と、自社に対して好感を持ちやすくなります。

時候の挨拶は旧暦に基いており、今の新暦とは少しのズレがあります。例えば「猛暑の候」「盛夏の候」といった挨拶は、一般的に7月に使用される時候の挨拶ですが、現在の日本では8月に猛暑日を迎える地域も少なくありません。

しかし、時候の挨拶のポイントは季節感を合わせることですから、そこまで使い方に神経を尖らせなくてもよいでしょう。季節外れの挨拶にならないように気をつければ、失礼な言葉にはあたりません。

手紙の目的と送付した経緯

手紙の目的と送付した経緯については、主文の早い段階でお伝えしましょう。特にはじめて手紙を送付する場合は、突然手紙を送付したことに対するお詫びと同時に、手紙を送付した目的について必ず記載しましょう。

取引先との面談でも、初対面なら必ず名刺交換を行うように、CXOレターにおいても自己紹介は非常に大切です。自社の企業名や担当者名を記載しないまま、商品・サービスに関する内容を記載しないようご注意ください。

商品・サービスに関する内容

自社の商品・サービスに関して記述する際は、読み手に伝わるように具体的な内容を心がけましょう。例えば、商品・サービスの販売数を記載したり他社の商材との違いを数値で示したりする、あるいは顧客満足度を数値で記載すると、具体的かつ客観的な内容になります。

ただし数値を用いる際は、読み手が「もう少し詳しい情報が聞きたいな」と思ってもらえるようなデータを記載することをおススメします。ターゲットと商談の場でお会いできるように、商談で開示するようなデータは隠しておきましょう。

顧客にとって役に立つ情報提供を行う

CXOレターに商品・サービスに関する情報だけ記載すると、どうしても「売り込み」の印象が強くなってしまいます。自社を訴求することは決して間違いではありませんが、顧客との良好な関係を今後も継続するために、業界の最新情報などのお役立ち情報を盛り込んでみましょう。顧客が喜ぶような情報は好印象につながるほか、商談の場で話のタネにもできます。

締めの文章

締めの文章は、読んだ人の読後感に大きな影響をあたえる項目です。相手企業の繁栄を祈る言葉や感謝の言葉を記載します。また、冒頭に頭語を記載した場合は、末文に結語を記載することが通例ですので、忘れずに記載しましょう。

CXOレターの大きな目的として、商談までの導線づくりがあります。「ぜひ一度お会いしたい」といった内容を締めの文章や本文中に一度は記載しておきましょう。

CXOレターの文章例

具体的な文章例について「新規開拓」「既存顧客」に分けて記載します。ぜひ参考にしてみてください。

新規開拓の場合

謹啓

盛夏のみぎり、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。ご面識もないままお手紙を送付させていただいてることをどうかお許しください。

私は、〇〇株式会社の佐藤一郎と申します。貴社のホームページを拝見し、今後の事業開拓について、弊社がお力になれるのではないかと思い筆を執らせていただきました。

弊社では、人事活動を一括して管理できる◇◇というプロダクトを提供しており、これまでに〇〇社とのお取引実績がございます。◇◇を導入して以後、事業効率を〇〇%向上させることに成功した企業様も存在します。是非とも一度お会いして、詳しいお話をさせていただく機会をいただけませんでしょうか。何卒ご検討の程、よろしくお願い申し上げます。

謹言

〇〇株式会社
営業部 佐藤一郎
携帯電話:080-1234-5678
メールアドレス:〇〇〇〇〇〇.co.jp

既存顧客の場合

拝啓

陽春の侯、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご愛顧をいただき厚く感謝申し上げます。
〇〇株式会社の佐藤一郎です。先日はお忙しい中、お時間を頂戴しまして誠にありがとうございました。
さて、本日は以前ご紹介させていただきました弊社の新商品△△につきまして、〇〇様にお会いして、詳細をご案内させていただきたくご連絡を差し上げた次第です。
貴社のご要望に適切なプランをご提示させていただき、お見積もりもご提示したいと存じます。後日改めてご連絡差し上げますので、後ほど日程調整の機会をいただけないでしょうか。

お忙しいところ大変恐縮ではございますが、〇月△日◇◇時頃にご連絡いたしますので、ご面談の可否をご教示頂けますと幸いです。ご検討の程よろしくお願い申し上げます。

敬具

〇〇株式会社
営業部 佐藤一郎
携帯電話:080-1234-5678
メールアドレス:〇〇〇〇〇〇.co.jp

決裁者の心を動かすCXOレターに仕上げるコツ

CXOレターの文章作りのポイントを身につけた後は、より効果的なCXOレターに仕上げるコツもチェックしましょう。

手紙の「外側」にも工夫を施す

決裁者の心を動かすCXOレターに仕上げるには、封筒や便箋などの手紙の外側にも工夫を施す必要があります。ターゲット企業の企業カラーの封筒を選んだり封筒の素材にこだわったりすると、作成者の気持ちが相手に伝わるでしょう。時間をかけて作成したかどうかは、手に取った相手に伝わるものです。他のDMや手紙に埋もれずに、開封してもらえるはずです。

手書きでCXOレターを作成する

プリンターによる印刷文字ではなく、人の手で手書きされたCXOレターも決裁者の印象に強く残ります。「時間や手間をかけて作成されている」と、自社の誠意が相手に伝わりやすいからです。「MSゴシック」や「MS明朝」といった、どこでも目にするようなフォント文字では、競合他社との差別化を図ることは困難です。ボールペンではなく筆ペンを使用すると、より丁寧な印象を相手にあたえられるでしょう。

統括

CXOレターの文章作りにこだわることで、自社の特徴や魅力を決裁者に印象づけることができます。自社の商品・サービスの特徴を正確に伝えられると、商談化や成約率のアップも見込めます。

ただし、闇雲に時間をかけても効果的なCXOレターは出来上がりません。前文、主文、末文、後付などの構成要素に沿って丁寧に作成すると、決裁者の心を動かすようなCXOレターに仕上がるでしょう。デジタルツールによるコミュニケーションが当たり前の現代だからこそ、CXOレターの効果を信じてみませんか。

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