決裁者への手紙営業は、少ない工程で成約につなげられる効果的な営業手法です。ただし決裁者は上位の役職者であることが多いため、商談につなげるためにはいくつかの課題をクリアする必要があります。そこで本記事では、決裁者への商談が重要な理由を解説した上で、決裁者の商談につながる手紙営業成功のポイントを4つに厳選して解説します。
決裁者との商談が重要な理由
はじめに決裁者との商談が重要な理由をみていきましょう。
成果に直結する
決裁者とは、「商品やサービスの購入に関して最終的な決断を下す人」です。決裁者は商品やサービスの購入に関して責任を負っている分、部長や役員といった役職者がその責務を担っています。会社にとって有益と判断した商品やサービスを独断で購入できる存在でもあります。そのため、商談の席で自社の商材をアピールする必要はあるものの、決裁者との商談の機会を持つことが、営業の成果に直結するのです。
担当者が決裁権を持っているとは限らない
企業規模や商談の規模が大きくなるにつれて、商談の席には決裁者ではなく専任の担当者が同席するケースが増えていきます。しかし、必ずしも担当者が決裁権を持っているとは限りません。
この場合は、担当者を通して決裁者の判断を仰ぐというプロセスを経ることになります。担当者を通して決裁者の判断を仰ぐ場合、企業内では稟議の決裁が必要となるケースも多いため、最終的な回答を得るまでに時間がかかるのです。効率的に商談を成功させるためには、決裁者との商談が重要となります。
手紙営業で決裁者の商談につなげる4つのポイント
手紙営業(CXOレター)を活用して決裁者の商談につなげるためのポイントを4つご紹介します。
決裁者につながるキーマンを特定する
手紙営業の成功率を高めるためには、決裁者につながるキーマンを特定することが重要です。決裁者と聞くと、企業の社長を思い浮かべる方も多いと思いますが、社長に直接CXOレターを送付しても開封してもらえるとは限りません。企業の意思決定者である社長の元には、相当量のDMや手紙が届いていると予測できるため、直接送付しても空振りに終わる可能性が高いのです。
一方、決裁者につながるキーマンに送付すると、他社の手紙に埋もれる確率が低くなります。たとえ大企業が相手であっても、開封してもらえる確率は大幅にアップするでしょう。キーマンとなり得るのは、決裁者とつながりのある事業責任者や企業のNo2以下の役職者です。
大企業のホームページには、組織図が掲載されていることがあります。組織図に役員の名前が記載されていればキーマンの特定が容易になるはずです。また、上場企業は「代表取締役又は代表執行役の異動」があった際に、直ちにその内容を開示するよう義務付けられています。上場企業の人事異動にお知らせを確認すると、代表や役員の特定に役立つでしょう。
検索エンジンに「企業名 役職」「企業名 部署名 役職」と検索してキーマンの情報を探す方法も有効です。
決裁者の印象に残るような工夫を施す
送付するCXOレターは、決裁者やキーマンの印象に残るような工夫を施す必要があります。なぜなら、相手の心を動かすように時間をかけて作られたCXOレターも、開封されなければ意味を成さないからです。
簡易的な封筒を使うのはNGですが、社用封筒や窓あき封筒といった社内で簡単に手に入る封筒や便箋も、総務部や秘書が「不要な郵便物」と判断して処分してしまうおそれがあります。
他の手紙と差別化するために、まずはCXOレターの「外側」で差別化を図りましょう。例えば、建設業や製造業といった歴史のある業界の場合、高級和紙を使った便箋などを好む決裁者も存在します。ターゲット企業のイメージカラーに合わせた洋封筒を用いると、他の手紙と差別化を図れるでしょう。ベストな封筒は業界やターゲット企業の担当者によって異なりますが、決裁者の手元に渡った時に印象に残るような工夫を施すことが重要です。
決裁者に合わせた文章を作成する
CXOレターで決裁者との商談につなげるためには、「内側」つまり手紙の中身に気を配る必要があります。テンプレートのような使いまわされた文章ではなく、決裁者の立場から書かれた内容の文章であれば、「自分のために時間を費やして作成された」と感じてもらえるでしょう。
具体的な方法として、企業のホームページやSNSから情報を収集したり業界に関連する情報を収集したりした後に文章を作成すると、ターゲット企業に関連性の深い文章となります。また、文字を書いていく際に筆ペンを活用しても心のこもった手紙になるでしょう。たとえ字の綺麗さに自信がなくても、丁寧に書いていけば、営業担当者の気持ちがこもった文章になります。
相手企業に有益な情報を提供する
CXOレターに自社の商材に関する情報ばかり記載してしまうと、売り込みと感じられてマイナスイメージにつながってしまうかもしれません。そこで自社の情報だけでなく、購入者の声や成功事例といった購入者に有益性が高い情報を掲載することをおすすめします。
また、商材に関する情報を記載する際は、ホームページやカタログなどで公表していない情報を盛り込むと、有益性が高まります。アピールしたい情報をあえて手紙の後半に配置しても、相手への配慮が感じられる文章に仕上がるでしょう。
決裁者の商談につなげるなら自社に合った「手紙営業代行会社」を
手紙営業のデメリットとして、CXOレターの作成に時間がかかることが挙げられます。決裁者につながるキーマンを特定して印象に残るための工夫を施すには、時間だけでなく労力もかかるものです。しかし手紙とは本来、相手にこちらの思いを届けるために時間をかけて作成するもの。そして、時間をかけて作成するからこそ、相手の心を打つのではないでしょうか。
とはいえ、毎日の業務で多忙の中、これらの工程を1から取り組んでいくのは骨の折れる作業となります。そこで近年は、受注率を高めながら自社のリソースを確保するために、手紙営業代行サービスを活用する企業が増えています。
手紙営業代行会社によってサービス内容や料金プランはさまざまですので、自社に合った手紙営業代行会社を選ぶのがポイントです。
<手紙営業代行会社を選ぶポイント>
- キーマンリサーチがサービスに含まれているか
- ターゲットに合わせて文章をカスタマイズしてくれるか
- 文書を筆ペンなどで手書き作成してくれるか
- 自社の商材と代行会社の得意分野がマッチしているか
- 手紙代行に関する十分な実績があるか
上記のポイントを参考に、ぜひ自社に合った手紙営業代行会社を探してみてください。
統括
手紙営業で決裁者の商談につながる方法を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。従来の飛び込み営業やテレアポでは、相手企業の規模が大きくなればなるほど、決裁者まで到達するのが困難になります。そこでCXOレターを活用すれば、受付や窓口担当者を飛び越えて決裁者又は決裁者につながるキーマンにアプローチできるのです。
手紙営業と聞くと「作成や送付に時間がかかる」「古臭いイメージがある」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、決裁者や相手企業のために、時間や労力をかけて作られたCXOレターには決裁者の心を動かす力が備わっています。
この機会に一度CXOレターの作成に取りかかってみてはいかがでしょうか。そして、時間や人手を省略して受注率を高めたいとお考えになったら、ぜひ自社に合った営業代行会社を探しに着手してみてください。